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2009年4月

淡墨桜

暖地ではもう散ってしまっていますが、
家の庭では、今やっと彼岸桜系の桜や杏の花、
梅の花までがいっぺんに開いてきた。
(梅がここで咲くのはめずらしいのです)
ソメイヨシノや山桜はGWくらいに咲くことでしょう。

長野の市街地が桜の開花を待っている時期も、
神戸に居た頃の記憶で、いつも早く桜が見たいと思う。

そういうわけで、今年は小布施町にある「おぶせミュージアム」の、
中島千波館(淡墨桜で有名な日本画家)に行った。
展示数が、いまいち少なくて少々落胆したけど、
建物も庭もなかなか素敵な空間でした。
入館する人はほとんど居ず、おかげで貸切状態。
じっくりとすばらしい「淡墨桜」(うすずみさくら)を堪能できた。

本来、桜の木ならば、どこに行ってもたくさんあるし、
実物に勝るものはないのかも知れないけど。

桜の花が美しいのはあたりまえなのだが、
たとえば私が実際に、銘木淡墨桜を人ごみの中で見たとして、
その銘木の生命力、力強さ、繊細さ、多数の色彩を、
画家が見たそれのように見ることが出来るだろうか?

もちろん、ひとつの見方としてとらえるなら、
ものの見方は人それぞれ、千差万別があるから、
「これでなければ」と強く言うことは出来ない。

画家の目を通し表現された桜。

普段と違う、自分というものから少しだけ離れた見方って、
とても面白いし、ちょっとした衝撃的な出来事だった。
今も桜の幹や枝の多彩な色彩が脳裏にやきついている。

それに、岩絵の具の独特の色と風合いは、
鉱物の輝きがとても美しくて、
絵を描かなくても、「岩絵の具欲しいー」と思わされる。

もうすぐ実物の桜が満開になると、
少しは、いつもと違ったイメージが来るだろうか、
そこからどんな発見があるだろうか、と、
これからの楽しみのひとつでもある。

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ふきのとう摘み

長い冬もやっと終わり(・・・といっても、今年の雪は少ないかな)
冬眠から覚めた動物みたいに、気持ちがごそごそしてくる。

雪が融けたので、妙高まで近年恒例の「ふきのとう」採り。
じつはふきのとうくらいなら、わざわざ妙高まで出かけなくても、
うちの庭にも充分芽が出ているけれど。

妙高山の麓の川の土手にたくさんのふきのとうがなっていて、
山野草、アズマイチゲが可愛い薄紫や白い花をつけている。

お宝探しみたいにわくわくして、ふきのとうを見つけては摘む。

そこにはひとがまったく居ず、
ここにも、あそこにもと、蕗に誘われて、河畔を上る。

ただ川の音と草木を揺らす風の音と、
鳥の鳴き声と、私のがさがさという足音だけ。

普段山に住んでいるのに、
近所を歩くだけでは体験できない非現実感。

時間がなくなったような感覚になる。
昔観た、くそ難しいアンドレイ・タルコフスキー監督の映画、
「ストーカー」に出てくるゾーンみたいな空間。
独特で、淋しいのに、何かが充満している奇妙な情景。

それを観た時に感じた何かが、この場所にあるような気がして、
たかが山菜取りなのに、やみつきになってしまっている。

採れたふきのとうは、実家に送ったり、天ぷらやふきみそにしたり。

これからあたたかくなって、身体が目ざめてゆくときに、
こういうあくの強い大地からの贈り物は、
とてもよいエネルギーを与えてくれるそうです。

私は、ふきみそにすれば食べられる程度で、
あんまり好きな食べ物じゃないんだけど・・・(笑)

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